【 バキ特別編 性[SAGA]/板垣恵介 】
少年チャンピオンを毎週買っていた頃は、刃牙もそれなりに楽しみにしていました。でも、結局は刃牙が勝つんだろ? みたいな気持ちもあり、週刊誌で読むには良くても、コミックスを買うほどの気持ちにはなりませんでした。
ところで、特別編。
こちらはヤングチャンピオンに短期連載されたものです。
刃牙も年齢を重ね、恋人と肉体関係を持つような年頃になってきます。
しかし、少年チャンピオンは少年誌です。あからさまな描写ははばかられます。
そこで、その部分だけをとりだしたのが、ヤングチャンピオン掲載の特別編です。
ほぼ、セックスのシーンです。しかし、基本が格闘漫画ですから、そこから逃れられません。格闘となにかしら結びつけた描写がなされています。
格闘と結びついた描写といっても、絵の部分ではなく、文字もふくめた漫画全体の表現です。
文学的でさえあると感じました。なにもそこまで、徹底しなくてもいいのにと思いますが、こだわりなのでしょうね。読者にこれでもかこれでもかと、「これは格闘漫画で、主人公はひたすら強さを求める格闘家なのだ」と、伝えてきます。
「快感」という漢字に、「ダメージ」とルビをふるなんて、本当にもう笑えるほど徹底しています。
とはいえ、まるっきりあり得ない格闘セックスというわけではなく、挿入のシーンではヒロイン梢江は、「痛いッ」「ガマンするッッッ」「チョットキモチイイ…かも!?」と、変化していきます。
そして、その直後の闘いでは、刃牙は圧倒的な強さを見せつけるのでした。
本編をいまさら集める気にならないのは、あまりにも長いのと、「地下闘技場編」の途中から「中国大擂台賽(ちゅうごくだいらいたいさい)編」の途中くらきまでは少年チャンピオンを定期講読し読んでもいたからですがの、まあ、特別編だけなら、手元にあってもいいかなと購入した次第。
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