漫画パラダイス

読んだ漫画のレビューなど。基本的には所持作品リストです。

【 雛子バリエーション/矢野健太郎 】

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 なんとなく制服っぽいコスだけど、それにしてはスカートが短いし、太ももの露出も多いし、ポーズも色っぽいし、そういう作品ですか?

 はい、そういう作品です。決して腐れラブコメではございません。

 と、いうわけで。
 前島和也(高一)は、幼馴染みの沢良木雛子を意識し始めて、約半年。和也は雛子から相談をもちかけられます。

 先輩から告白されたんだけど、と。

「そんな先輩より、俺の方がずっと雛子のことを見てたし、想ってる」とでも言えれば問題は一挙解決するはずですが、和也のこたえは「俺には関係ない」でした。

 そりゃあないよねえー。

 雛子ちゃんだって、がっかりだよねー。

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 さて。学園祭でやった催眠術の悪戯が効果をあらわしてしまって、雛子は妙に色っぽいキャラに変貌してしまいます。
 そして、告白してきた先輩を呼び出し、先輩はすっかりその気になって雛子におそいかかってくるのですが、雛子はあっさり撃退。始めては和也とだと決めているのだと告白します。
 おおー、めでたしめでたし。

 でも、肝心の和也がその場に現れた時点で、催眠術はきれていて、事は全く進みません。
 ところが、この悪戯催眠術で眠ってた様々な雛子が、とあるきっかけで、発動してしまうようになります。

 たとえば、雛子が所属する合気道部にやってきた道場破りを、相当卑怯な手でやっつけたりしてしまいます。彼女の性格変貌は、淫乱モードだけではなかったのです。
 どうやらパワーストーンからの強い反射光を浴びたら、雛子が変心するらしいと、和也も雛子も気づき始めています。

 石の効能で、SM女王様モードになったり、美少女戦士モードになったり。
 やっぱりエロ系変心が多いのですが、それだけじゃあないところが、この漫画の面白い(あるいはバカバカしい)所なのです。

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 ただ、残念なことに、手元には、1巻とラストの4巻しかありません。値段シールが貼ってないので、古書ではなく、新品で購入したはずなんですが、書店の棚にあったのがそれだけってことだったんでしょうね。 

 主人公とその友人合わせて3人は、度々変心する雛子を面白がるのですが、雛子は人気者になっていて、おいそれと近寄れない状態になってる、というところから4巻は始まっています。
 そして、掲載誌が潰れて、変な終わり方になってます。
「あんなネタやこんなネタも用意してたのにー」って作者はわめいています。

 無理にまとめるより、雑誌休刊のくやしさを滲み出ているこんな終わり方は、好きです。だって、完結してないんだから。

 かつて「龍一くんライブ」という作品で、作者の神戸さくみ先生が、「最後はトシが100ページかけて活躍するはずだったのにー」と書いておられたのを見かけたことがありす。トシは龍一の永遠のライバル。読みたかったですねー。

 もっとも、この作者の弁は、雑誌(少年キング)には掲載されてたものの、コミックスになったときは、省かれてました。

 話がそれたので、雛子ちゃんの絵をもう一枚載せて、終了です。

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 え? 矢野先生の作品を語るなら、「ネコじゃ」を書けって?

 いや、それはまだ早い。

 他の作品からもっと攻めねば。


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