【 ばうんさーず/犬上すくね 】
「ばうんさー」とは、用心棒のこと。その複数形が、タイトルです。
中学生2人、高校生1人の合計3人の美少女と、浪人生のヤサ男(従兄弟)の同居物語です。
複数形なのは、女の子達が、ヤサ男の用心棒だからです。
3姉妹のお母さんは、旦那に先立たれています。また、彼女は国内海外問わず飛び回るキャリアウーマンでもあります。
この家唯一の大人が、安心して家を空けられるのは、この従兄弟のヤサ男が、同居してくれてるおかげなのだ、という設定になっているのです。
でも、3姉妹はどこかたよりないヤサ男(カイ君、といいます)を、「守ってあげている」という意識をもっています。ドキドキワクワクとほのぼのが同居したコメディー。
やっと手に入れた、竹書房の犬上すくねさんの作品です。ほんとは、ういういでいず、という作品も、読んでみたいんですが、見あたりません。
連載はたった6ページ、しかも初期は季刊誌だったとか。3年半の時を経てようやく第1巻が出せたとのこと。それでも130ページほどの薄い本です。
それにしても、同居ものコメディー、なんだかんだで買ってしまいます。
いや、同居コメディーだから買ったんではないですよ。犬上すくね先生の作品だから買ったんです。
ええーっと、一番最初に買った同居人ものコメディーは、確か「4L(ラブ)DKカンパニー」という少女漫画でした。この作品についても、いずれ…。
さて、2巻を入手しました。
若い女性3人の家に、浪人生(浪人中だったんですね。すっかり忘れてました)カイ君が住むことになったのは、3人娘のお母さん(カイ君の従姉妹)がシングルマザーで、海外赴任しているためでした。(復習終わり)
母も海外赴任から戻り、カイ君は美女4人に囲まれて、主夫&浪人生の生活になります。
そいでもって2巻は、泣かせる(または、その直前になってしまう)エピソードが満載。
ほんっと、心暖まるお話がいっぱいなんです。
カイ君が浪人生なのは、前年の受験日に体調を崩したからなんですが、今年も不安だらけ。また体調不良になったらどうしよう、と考えるだけで、体調を悪くしてしまいそうな状態。
ある朝、天気予報で「夕方、局地的に雨」と知った3姉妹は口を揃えて「傘を持っていけ」と言います。が、それをかたくなに拒否するカイ。
「雨が降っても迎えになんか行けない」だの「風邪ひいて2浪したらどーすんの」だの言われながらも、傘を持たずに家を出ます。
でも、大体こういうとき、漫画では、雨が降ることになってます。「ばうんさーず」でも、もちろん降りました。しかも、大雨。
ところが運良く、この日は予備校で友人に貸していた折り畳み傘が戻ってきました。
そして、駅前には、3姉妹が3姉妹とも、カイ君を迎えに来ていたという。
まあ、言葉にしてしまえば、なんてことのない話なんですけど、この漫画ではそれがウルウルものに描かれてるんです!
ラスト、カイ君は無事志望校に合格し、家を出ていくことになります。これは、最初から決まっていたことで、大学に合格したらカイ君は1人暮らしをすることになっていたのです。
でも、3姉妹はカイ君にこのままいて欲しいと願っています。しかし、母親に説得されます。カイ君にはもっと広い世界をみて欲しいから、と。
ところが、そうもいかなくなってしまいます。
母親の海外赴任がまたまた決まってしまうのでした。
期間は1年。その間、家を娘3人だけにしてしまうのはやはり気がかり。
というわけで、カイ君の居候…いや、バウンサー(用心棒)生活は一年延長されるのでした。
などと書いてて、うーん、ダメたこりゃ、と思いましたね。これでは伝えたいことがまるっきり伝わってません。
とにかく!
いいお話なんですよー!
お勧め度、大です!!
(31-102)