漫画パラダイス

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【 ひとりぼっちの地球侵略/小川麻衣子 】

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 高校生になった岬一は、おじいちゃんの経営する喫茶店で、「ちゃんと働きたい」「じいちゃんのようになりたい」と宣言します。岬一は小さな頃からおじいちゃんの背中を見て育ち、いつしか跡を継ぎたいと考えるようになっていたのです。


 と、こんな話のどこが地球侵略なんだ? となるわけですが、この宣言の前に、この漫画にはひとつエピソードが用意されています。


 高校への登校初日、入学式を前に、変な仮面をかぶった女子に「お前の命をもらいに来た」と、縁起でもない言葉をつきつけられていたのです。


 仮面少女は高校の先輩で、大島と名乗っていますが、実は地球を侵略しにきた宇宙人で、仮面をとればそこそこ美人。命をとらないかわりに地球侵略の仲間になれと迫ります。岬一は、この先輩を頭のイカレた電波少女と判断しますが、彼女は「今夜、何かあるから気をつけろ。何かあっても君のことは助けるけどね」と、忠告して立ち去りました。


 命を奪いにきたはずが、助けてあげるとはこれいかに? 実は岬一が幼少の頃、大挙した宇宙船団により心臓に致命的な重傷を負い、助けるために新しく高性能な心臓を岬一に与えたのが彼女で、その心臓を取り返えそうとしていたのです。しかし、地球人には無理なはずのその高性能な心臓との融合を岬一は果たしており、それを確認した彼女によって、仲間と認定されてしまったのです。


 さて、その夜、忠告通り、災難が起こります。宇宙兵器が着陸し、喫茶店を破壊したあげく、おじいちゃんを取り込んでしまったのです。


 岬一は、先輩で宇宙人の彼女に、じいちゃんを助けてくれと懇願、彼女はそれに応じてじいちゃんを救出します。


 地球侵略を狙っている宇宙勢力はひとつではなく、そういったことへの認識もなく、対抗する武力もない地球は、いずれかの勢力にあっという間に侵略されるが、彼女の所属する勢力は大きいので、その勢力下に入れば、他の勢力からの攻撃は避けられ、結果として地球を守ることになる。だから、2人で地球を征服しよう、と彼女が提案してきました。


 結局、他の勢力に侵略されることには変わらないという矛盾に心を悩ませつつも、共同戦線をはることに…。


と、こんなふうに冒頭のストーリーを紹介してると結構面白そうに思えてきたりもするのですが、その後、書店で見かけないうちに忘れてしまってたという気の毒な作品です。


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