漫画パラダイス

読んだ漫画のレビューなど。基本的には所持作品リストです。

【 抱きしめたい/高梁みどり 】

 うーわー。ドロドロやんかー。絵のイメージと全然違う~。

「教育実習生が17歳の男の子に告白するなんて」できるわけないと思ってたと、当時の心境をショージに語る涼子。今は人妻です。

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 5年前、教育実習生だった涼子と高校生だったショージが、一夜の過ちをおかします。そして、今、二人は偶然、街中で出会ったのです。

 ショージも社会人になっており、2人で呑みに行きますが、涼子は既に結婚をしてることをショージに伝え、最終電車に逃げるように駆け込みます。引き留めようとするショージ。閉まる電車のドア。ショージを突き放す涼子。このどさくさで、涼子のバッグがホームに取り残されます。ショージはそのバッグを拾い、本人に渡すことを口実に再び涼子に会おうと連絡をとります。

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 涼子は銀行員になっていました。1巻の発行が1992年で、作品中には携帯電話は登場しません。涼子の職場にショージは連絡を入れてます。

 同じその銀行には、涼子の夫の妹、美雪がいます。

 ショージは小さな広告代理店の社員で、大手広告代理店の下請けなどをしていますが、その大手広告代理店の佐野課長が涼子の夫です。

 兄のことが大好きで慕っていた美雪は、兄を涼子にとられたと感じていて、涼子に良い印象を持っていません。

 一方、ショージの勤務する広告代理店には、ショージに想いを寄せる女子社員、亜紀がいます。

 さて、再会を果たしたショージは、(不倫に走ろうとしたのか、佐野課長と涼子を離婚させて自分のものにしようとしたのか定かではありませんが)涼子にありったけの思いをぶつけます。

 でも涼子は、キスを受け入れただけで、「これ以上は無理」と、ショージを拒絶します。

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 でも、涼子にもショージへの未練があり、一緒に呑みに行ったりします。その後、自室へ誘うショージ。でも、玄関先で躊躇する涼子。そこへ、会社での忘れ物を届けに亜紀がやってきて、ショージは自宅の前で涼子と2人でいるところを見られてしまいます。

 ショージと涼子は、再会後はまだ身体の関係は持っていませんが、お互い気持ちがあることを亜紀に知られてしまうのです。

 ショージに思いを寄せる亜紀は、2人の関係を問い質したりせず、しかし黙ってショージにキスをします。このキス以来、亜紀はショージに、恋人のような態度で接しはじめます。

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 ある日、電車の車中で偶然会ったショージと涼子は、そのまま2人して会社をサボり、デートします。そのままホテルにチェックインしますが、「夫のある身だから」と、涼子は拒否、ショージも彼女が自分だけを見てくれる日まで待つ決意をします。

 涼子の義妹の美雪はショージと涼子の関係を疑い始めていて、同じ広告業界に身を置くショージの同級生桜庭と知り合ったのをきっかけに、桜庭を誘惑して、ショージと涼子の関係を調べさせます。

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 仕事をとるために身体を提供したと亜紀が会社内などで噂をされたり、男女関係のもつれもありショージが仕事でコピーライターに嵌められほうになったり、佐野(涼子の夫)の不倫に手を貸すことになったり、出張にからめた遠隔地でのデートが交錯したりと、うんざりするほどドロドロの様相を呈してきます。とはいえ、肉体関係は物語の印象ほどにはないんですけどね。

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 なのに、ちっとも進展のないショージと涼子。

 夫の不倫に確信を得て家をでた涼子と、それを追って香港にまでかけつけるショージ、ショージに捨てられたくない亜紀によるショージ呼び戻しのための嘘、香港の従兄弟による涼子へのアプローチとショージへの妨害など、今ならきっと「ショージと涼子がコッソリ逢い引きすれば済む話でしょ?」が、どんどんややこしくなってしまいます。

 全5巻のようですが、3巻までしか所持していません。残念ながら、結末も知りません。どうもネット検索しても、最後の最後はわかんないままでした。本気のネタバレってタブーなんですかねえ。

 電子書籍では読むことができるようです。
 電子書籍という媒体がもし存在しなければ、名実ともに絶版ですから、古書を手に入れるためにがんばるか、あらすじ的にラストを知って満足するかだけの話で、作者の収入には関係なくなります。

 しかし、電子書籍がある限りは、知りたければ対価を払って読みなさいということになるので、ネタバレに関して気を使わざるを得ないのは、まあわかります。

 ただ、一方で、漫画作品本体と、あらすじやネタバレは同一のものではなく、むしろ「そういうお話なら読んでみたい」に繋がる可能性も否定できません。

 読者の身勝手な「知りたい欲求」とは別の次元の話として、ネタバレが作者を潰すことになるのか守ることになるのか、僕も悩む所です。

 作者が現役か、引退か、故人かによっても異なるかもしれません。故人であっても、作品が流通しているか、絶版なのか、ということも大切な要素でしょうね。

 小山田いく先生(故人)の作品なら、どんどんネタバレさせて、その中で「本編を読みたい」と感じた何人かに1人の読者が、復刻版を買ってくれたらいいなあ、なんて思います。

 遺族とか著作権継承者とかの問題はあるものの、作者本人がお亡くなりの場合は、「文化の継承」に力点が置かれるべきだと思うからです。

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