【 酒は辛口 肴は下ネタ/みさき速 】
下世話なタイトルですが、ここに登場するメニューは、そりゃあもう読んでいるだけでヨダレが出そうなものばかり。
この店には一流の料理人による素敵な肴が用意されているのです。
男が静かにうまい酒と肴を楽しむ店、というコンセプトで運営されています。
そこに、色情狂の妹、なんと小学六年生が乱入、居候をはじめて(夏休みという設定)、肴を旨いアテから下ネタに変えてしまって、常連客を巻き込んでしっちゃかめっちゃかにしてしまうという人情コメディです。
この作者を知ったのは、週刊少年チャンピオンにて連載されていたレディース(女暴走族)マンガで、でした。
キャラは少年漫画と少女漫画の中間ぽく、かつ中途半端に劇画調で、ストーリーも私にはわかりにくく、避けていたのですが、こーんな面白い漫画を描かれるとは。一気にファンになってしまいました。
ま、旨い酒と料理に、適度な下ネタがあるとなれば、おじさん(自分のこと)が好むのも無理ありませんな。
店主は京都の老舗すっぽん割烹の出身です。腕がいいのは当然です。ただ、女性が代々店を次ぐことになっており、男は「跡継ぎを生ませればいい」という種馬的扱いで、地位が低い。
そのため女嫌いになり、男のための男の料理屋を開くことにしたわけです。
ところが、少しばかり歪んだ性教育(を、受けたのでしょうね)と本人の性への執着心、兄好き、その兄か童貞、といった様々な要素で、夏休みをいいことに押し掛けてきた妹によって、完全にペースを乱され、常連客(普通の下ネタ好きのオッサン)もノリノリで、しっちゃかめっちゃかになってしまいます。
月に1度ほどやってくるクールで大食漢の警察官(クールすぎて店主は男と思っていた)が、実は婦人警官だとわかってからは、「男のための男の酒場」すら、標榜しずらくなり…。
個人の特定に至らない一般論的な下ネタは罪がなく、会話の潤滑油だと僕は思ってるのですが、最近ではそれすらセクハラとして糾弾の対象です。
でもこの作品は、店主がとんでもない目に合わされる以外は、悪意の無い下ネタのオンパレードですから、多くの人か笑える作品です。
また、筆者が女性ですので、女性の性をないがしろにするような内容ではなく、あくまでギャグの範疇。エロマンガではありません。
全5巻。
(59-247)