漫画パラダイス

読んだ漫画のレビューなど。基本的には所持作品リストです。

【 ロゼ・サンク/望月三起也 】

f:id:mineshizuku:20190305060433j:plain

 ワイルド7の飛葉が活躍する短編「ロゼ・サンク」(表題作)他を納めた短編集です。

 どういう経緯を辿ったのが、飛葉は屋台に改造した車両で、路上でケバブ屋を出しています。そこへやってきた制服の女子高生に拳銃を向けられます。

「安全装置を外さないと弾は出ない」と言われ、彼女は「そういうことを教えて欲しいの」と迫ります。

 飛葉は拳銃の上に蝋燭を立て、落とさぬように引き金が引けるようになれば、標的に当たると指南します。

f:id:mineshizuku:20190305060542j:plain

 女子高生リサの目的は彼氏の復讐です。恋人がヤクザ組織に殺されたのです。おまけに彼女はヤクザ組織の重要書類を持っていたことで、それを取り返そうとする組織に誘拐されます。その書類をケバブ屋に置き去ったため、飛葉まで狙われ、ケバブ屋は銃器で破壊されてしまいます。

 そのヤクザ組織は、表向き小さな組織に見せかけていますが、密輸を生業とし、様々な国の大使や政治家などにも手の者がいて、実際は巨大な組織だと、草波(代替わりしていて、元ワイルド隊長の草波の息子)に進言しますが、いろよい返事はもらえません。

 飛葉の立場がわからない(相変わらず警察官なのか、一民間人になったのか)ので、彼が求めていたのが「警察官としての命令」なのか、「民間人への協力要請」なのかもまた不明ですが、飛葉は組織を潰してリサを救出するため、草波の思惑に関わらず自ら動きます。

 飛葉はなんらかの事件の後遺症で片足の膝を悪くしており、ヒョコヒョコとしか歩けず、もちろん走るなんてことはできません。バイクに乗れば自在に操れるものの、一組織を潰すのに一人では手に余ります。そこで、飛葉が呼び寄せたのが、キャビンアテンダントさんと、踊りのお師匠さんです。

f:id:mineshizuku:20190305060611j:plain
f:id:mineshizuku:20190305060625j:plain

 「まさかフランスで、コルシカマフィアをたった5人で全滅させたというあの、血のように赤いレザージャケットの戦闘服をきていたことから、ROSE(ロゼ)V(サンク)と呼ばれたあいつ等に集合かけたんじゃないだろうな。日本国内じゃ違法だぞ」と草波は言いますが、きっと、その、まさか、です。

 ただし、2人だけですけどね。

 父親の草波は検事で、違法行為を犯しても悪人を退治するためにワイルド7を結成したわけですが、息子の方は警察官です。このあたりも考え方が違うのでしょう。
 ともあれ、飛葉にとっては、違法か合法かなんてのは関係ありません。悪を退治する。それだけなのです。

 そして、悪人退治とリサの救出作戦が始まりました。

 バイクと銃器のアクションです。こればかりは絵で迫力を味あわないと、意味がありません。

 バイクで敵に向かっているところを飛葉は拳銃で狙われますが、バイクを飛び降りて窓を突き破って外へ。かと思ったら窓枠を軸にして回転して隣の窓から再突入して銃撃。敵は無人となったバイクの犠牲になるわ飛葉に撃たれるわ、あげくバラバラになったバイクの部品が身体中に突き刺さって死亡、なーんてアクションが展開します。
 もちろん、飛葉達の勝利です。リサもちゃあんと拳銃をマスターして、飛葉をフォローしたりします。

f:id:mineshizuku:20190305060728j:plain


(224-891)