【 清原なつの忘れ物BOX/清原なつの 】
大好きな作家さんなんですが、買いそびれることもしばしば。困ったものです。
「1、サボテン姫とイグアナ王子」「2、二十歳のバースデープレート」の二冊です。
短編中心の作家さんで、短篇集もいっぱい出ているのですが、収録されないままになっているのをまとめて出してしまえ、という二冊なのだとか。こんなに未収録作品があったんですね。
サボテン姫はなんとも形容しがたい漫画で、美しいお姫様なのに全身からトゲがはえています。
そこへ、不細工なイグアナ王子がやってきて、トゲを全部食べたら、イグアナ王子は呪いがとけて、美男子の王子様になるというのです。
トゲは腕から食べ始めて、何日もかけて、ついに(はっきりとは描かれていませんが)アソコを残すばかりとなりました。
いったん食べられたらトゲは、12時間の間をおくことなく、次々たべれば、新しく生えてくることはありません。また、アソコを残すバカリとなったイグアナ王子も、ほぼ呪いがとけて、美男子になっています。
しかし、ついにアソコのトゲは食べられることなく、2人はトゲトゲ王女とイグアナ王子に戻ってしまい、最後には国を出て、小さな島に移り住んで、サボテンとイグアナになってしまいました、という超短編です。
幸福な未来が待っていてもさすがにそこまでしてらいけません、という教えなのでしょうか? それとも、やる限りは徹底的にやりなさいという教訓なのでしょうか?
一方、バースデープレートは、中編作品です。
狙ってソウしたできちゃった結婚に、父親は大反対。しかし、2人は駆け落ちのように家をでます。当然、許してなどもらえるわけがありません。しかし、孫ができると、誕生日ごとにバースデープレートが贈られて来ます。
この孫が主人公で、引っ越しを期に、押し入れから次々出てくる毎年のバースデープレート。これを軸とした、成長過程を描いたストーリーです。
漏れてるものを全部載せちゃえとばかり、今とは絵柄も技量も全く異なる高校生のときに描いたものまで掲載されてるので、清原なつのファンは必見ですね。
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