【 弟切草／長坂秀佳・服部あゆみ 】

　
　美しくかつ不気味なカバー絵でしょう？　1999年の発行ですから、その１年前くらいの作品なのでしょう。当時のCG技術ってどの程度だったのかなあ？
　オカルト、ミステリー、ギャグなどを描かれる作家さんです。

　人智の及ばない力を題材にしたホラー作家さんは少なくありませんが、服部先生は「道教」をモチーフに、日本独自の宗教感の融合もさせて描いた「風見斎シリーズ」にコアなファンがついたと認識してるのですが、最近はあまり見かけません。

　「弟切草」には伝説があり、代々部外秘とされていた鷹匠が用いる鷹の怪我に用いる特効薬の秘密を、弟が恋人に漏らしたことで、兄に殺されます。
　このあたりで、二人が遊んでいたゲームの設定なのか、現実に起こった事件なのかがよくわからなくなってきます。
　読者を、混乱させる演出がわざとなされるので、それも仕方無いのですが、現実の刑事が事件解決に乗り出してくるので、すべてがゲームのなかで完結しているわけでもなさそうです。

　ゲーム世界に引き込まれる、実際に殺人事件も起こる、そんな作品です。

　この作品、所持されてる方って、そんなに多くないですよね？

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