【 危険がウォーキング/星里もちる 】
星里もちる先生のデビュー作です。新刊かなと思って手を出したら、デビュー作と書いてあるので、復刻版でしょう。
設定がぶっとんでます。汗がニトログリセリンな爆発少女、岡原佳枝と、恋人の牧野いくろうを中心にした学園コメディ。
汗がニトログリセリンなため、岡原佳枝はあちこちで爆発事故を起こします。それを周りの人達が余計に引っ掻き回し、収集がつかなくなりかけますが、基本的にはほのぼのハートウォーミング系です。
他に、超美人だが身体を張ったギャグでテレビレギュラーの座までつかむ姉の冴子、着ぐるみ職人で作中着ぐるみでしか登場しない父、後ろ姿しか見せない母、担任教師でとにかく堅い氷室麻衣子、対人恐怖症でダテメガネを外すと赤面する園部その子、大物コメディアンで牧野姉弟の才能に気付いたバロン鴬谷、現役時代はバロンとコンビを組み、今はプロダクション経営を担うクルマ神楽坂、人気が落ちつつある若手芸人の神坂公平などがレギュラー。
後半には、神坂公平が一発屋から真の芸人になろうとする姿や、担任教師が結婚していたエピソードなど、お笑いの中にもシリアスなエッセンスが盛り込まれていきます。
全3巻。読み返すにあたって、3巻を先に手を取ったものだから、その後に観た1巻の、まあアラが目立つこと。絵は下手で雑ですし、ストーリーもさほど面白くありません。こんなんでよく連載が始まったなと思いますが、物語はどんどん面白く、そして人情深くなっていきます。
そうそう、地味なメガネっ子風に描かれてはいますが、園部その子が実は一番の美人キャラですね。
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