【 スカイハイ/高橋つとむ 】
この作品はテレビドラマになりましたよね。観たこともあったと思うんですけれど、イマイチ覚えていないなあ。
物語は、多分、1話完結です。なぜ多分かというと、1巻しか持っていないからです。もしかしたら、2巻以降には、長目のお話もあるかもしれません。
この世での出来事に様々なわだかまりを残したまま、あの世へ旅立つことになってしまった、ということなのでしょうが、そこに、つけこんだ(?)あの世の門番が、死者に対して、その先のことを、選択させます。
○ 死を受け入れ、このまま天国に行き、再生を待つ
○ 現世をさまよい続ける
○ 1人呪い殺して、自分も地獄へ行く
この3つがその選択肢なのですが、まあ、普通は「天国へ行き再生を待つ」を選ぶでしょう。
しかし、自分が地獄へいくことになっても恨み殺したい相手がいる、なんて選択肢もあるわけですから、これを選ぶ人は相当酷いめにあわされた、ということなんでしょう。
いやー、でもこれ、どうなんでしょうねえ。漫画としての設定の面白さを楽しむ、というスタンスなら、この選択肢でいいんですけど、ついつ:「自分だったら、どうする?」って考えませんでしょうか?
考えて悩んで、そして多くの場合は、「相手を呪い殺す代償が『自分も地獄行き』では割りに合わない。次は良い人生になると信じて再生を待つ、だよなあ」となるでしょうね。でも、作品の登場人物はそうとは限らない。そのギャップを楽しむ漫画なんでしょうけど。
そこまで酷いめにあったのなら、「相手は地獄、自分は天国」じゃないっすか?
人を呪わば穴二つ、といつような、教訓的なお話にするなら必要があったのか、それとも、自らの地獄行きとひきかえにしても、呪い殺したい相手がいるんだよという人の業を描こうとしたのか。
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