【 アキオ無宿ベトナム/深谷陽 】
こらこらー。バリに婚約者を残して、テメーなにやっとんねん。ベトナムへ行ってる場合とちゃうやろー!
と、ツッコミたくなりますが、とりあえず「アキオ紀行バリ」の続編です。
バリに立ち寄ったアキオは、彼女に白のワンピースをプレゼント。しかし彼女は、たった1日着用してくれただけでした。それで気落ちしたらアキオは再び、旅立ったのでした。
ベトナムでは、バリで会った日本人のタカハシくんと偶然再会、地元妙に怪しげなのに何故か妙に親切な地元の男どもと行動を共にしながら、観光にナンパにと精出すアキオですが…。
その微妙に怪しげで妙に親切な地元の男どもに女性を紹介されます。「ツーリストの男は10人中8人は女を買う」と呆れる彼らですが、じゃあベトナム人はどうなんだと反論されて、しれっと「10人」と答えるところが笑えます。
タカハシ君は値段交渉を引き受けてくれましたが、彼女らは日本人からぼったくることしか考えておらず、タカハシ君は「話にならん。やめやめー」と、戻ってくるのです。
ネタは売春ですが、のほほんとした雰囲気が伝わってきます。このあたりが、いわゆるポン引きとの違いなんでしょう。
友達として振る舞ってる様子がつたわってきて、温かい気持ちになります。
その後、なんやかんやのエピソードを経て、バリの彼女への想いを断ちがたいアキオは、再びバリへ。
彼女アマリアとの再会、甘い日々の始まりかと思いきや、事故で目を負傷し、シンガポールの設備の整った病院へ転院。
アマリアへの深い想いに気づいて、「怪我を直してキミの元へ戻るから」で、物語は終わります。
事前に予告されていた「中国編」を撤回、バリ編をラストまで描き上げるとのあとがきが記されていますが、まだどちらも、実現していないようです。
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