漫画パラダイス

読んだ漫画のレビューなど。基本的には所持作品リストです。

【 絶対可憐チルドレン ③/椎名高志 】

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 次の日曜日はちさとちゃんの誕生日だというのに、バベルの予知システムは、空港での爆発を探知しました。誕生日会に行けなくなると騒ぐチルドレン達に、事前に原因をつきとめて予知を覆せばいいと、皆本は言います。この爆発で予測される死者は100人程度、テロの可能性があります。
 チルドレンだけでなく、ハウンズやダブルフェイス、賢木にナオミも出動しますが、原因の特定には至りません。
 予知日時にはまだ達していないのに、とある航空機が雷に撃たれて計器が働かなくなり、制御を失って旅客ターミナルに突入してきます。チルドレン達はそれをなんとか防ぎますが、犯人は以外な人物でした。航空機の整備士だったのです。仕事に不満があった所に突然ESPが覚醒、情緒不安定になり、発作的に犯行に及んだようです。
 皆本、富士子、賢木はこれを、人為的にエスパーの能力を目覚めさせ、そう仕向けた者がいるのではないかと推測します。裏にファントムの姿がちらついています。

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 空港での事件のあと、皆本は休暇をとって実家に帰ります。これがお見合いだと知ったバベルの連中は、皆本監視の名のもと、バベル所属の軍隊まで率いて現場に向かいます。紫穂と葵は、賢木とともに野次馬根性で見物に出掛けますが、コソコソ隠れているつもりが、皆本やその母、お見合いの世話をする初老女の槍手らとバッタリ。
 体調不良で東京に残っていた薫の所には、兵部、澪、カグラのパンドラの3人がやってきます。パンドラは海外の地固めを終え、再び拠点を日本に置くことにしたから、そのアジトを見に来ないかと薫を誘います。兵部はおそらく、未来のパンドラの女王である薫に、玉座を見せたかったのでしょう。薫の部屋もあるとのこと。
 嫌な予感がした皆本は、緊急コールで薫も呼び寄せます。これにより兵部は薫にアジトを見せる計画に失敗したわけですが、パンドラのメンバーを集めて薫を追います。
 期せずしてお見合いの会場であるホテルに、バベルとパンドラが大集結してしまい、激しい戦闘が勃発、ホテルがしっちゃかめっちゃかになってしまうというオチです。

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 パンドラが日本に拠点を戻し、日本での活動を再開したと知ったバベルは、新体制を敷きます。チルドレンの運用にあたっては指揮官である皆本の下、高超度エスパーの複数のチームが集結することとし、そこに賢木と不二子も加わることになったのです。
 バベルでの不二子の地位は管理官で、局長よりも上、事実上のトップです。現場運用中はその不二子も皆本の指揮下に入るので、皆本は他省庁や他組織の連携も含めて、バベルを一存で動かせる立場になったわけです。
 そして、賢木の提案で、パンドラが何かを始めるのを待たず、バベルから動こうということになりました。捜査の開始です。
 皆本、賢木、紫穂の3人は、パンドラの潜伏先とおぼしきマンションに。そこで、マッスル、澪、葉の3人にバッタリ。さっそく戦闘になります。マッスルのビッグマグナムにより皆本は金属個体化、マッスルも自身を守るために自ら金属個体化し、戦闘向きでないサイコメトラーの紫帆が武器として所持していたスタンガンで、テレポートに入りかけの澪を電撃攻撃します。そのせいでテレポート能力が暴走、どこだかわからない崖の途中の洞穴へ、全員が飛んでしまいます。
 パンドラの兵部はこれを「行方不明」と認識、真木と紅葉を伴い、薫と葵にバベルには内緒で捜索と救出を協力してくれという依頼にやってきます。その中で兵部は、チルドレン達は未来においてパンドラのリーダーになるという予知を告げてしまいます。
 そこへ、この状況をどう知ったかは定かではありませんが不二子がかけつけ、兵部と休戦協定を結び、合同での捜索が始まりました。
 不二子のアイディアで一同は人工衛星にテレポートし、そこで行方不明になったメンバーを探します。首尾良く発見に至りますが、兵部が裏切って人工衛星を破壊。パンドラのメンバーは行方不明者の所へテレポートしますが、政府機関であるバベルのメンバーは、大気圏に落ち行く破壊された人工衛星を処理しなくてはなりません。このままだと燃え尽きずに残った人工衛星の大きな破片が地上に落ちてしまうからです。
 このようなわけで、バベル一行は遅れをとるものの、現地へ到着したあとは、バベルとパンドラは交戦状態に陥ります。戦闘そのものはパンドラが逃げて勝負はつかずに終わりますが、チルドレンの3人が将来パンドラのリーダーになる予知を知ったことを、皆本、賢木、不二子は聞かされます。
 ただしそれは、パンドラの女王となった薫と、皆本が、敵同士として対峙するところまでで、皆本が薫を撃つ場面は含まれません。チルドレンも中学生になったことでもあり、避けるべき未来へ向けた行動をするためにも、この予知を知っていい頃だと大人たちも考えているのですが、さすがに直接対決で皆本が薫に発砲することが予知に含まれていることまでは言えなかったのです。

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 チルドレンの次の出動は、テロの制圧です。アレルゲンが強化された花粉が大量に発生し、山間部から都市部に流入しようとしています。
 妙なヘルメットを被ったファントムドーターが画像付きで犯行声明を出しますが、バベルにとっては正体不明の敵です。
 ともあれ、バベル一行は花粉の制圧にかかります。「チルドレン達と遊ぶ」ことが目的で花粉テロを引き起こしたというファントムドーター。屈折した心理が吐露されます。皆本発案の人工降雨と、「ブクロとアキバは私が守る」と気合い十分のパンドラメンバーの単独行動により、テロは終息します。

 自宅に戻ったファントムドーター(黒い幽霊の中でのコードネーム。一般的にはファントムを名乗っている)は、もう一人の人格と会話をしています。好き勝手やってないで、放課後はお父様を手伝わないと、と説教されてるようです。しかし、悠理が目覚めて、会話はそこまでになります。
 何者かが肉体を借りて憑依しているとの解釈もできますが、彼女の場合は多重人格です。学校でチルドレン達とクラスメイトとして関わるのが悠理、変なヘルメットと衣装でチルドレン達につっかかるのがファントム、そのファントムに説教をしていたのがミラージュです。本名はユーリのようですね。

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 一方、チルドレンは、試験勉強に追われます。前期の中間テストです。一度でも赤点をとったら局長の首が飛ぶとのこと。政府はなにかにつけて局長にプレッシャーをかけてきます。チルドレンは国の宝、局長は溺愛のあまり必ずしも政府の方針に従わない、でも(だからこそ?)チルドレン達に慕われている、そんな局長が気に入らないようです。
 天才皆本によりチルドレン達は勉強を教わりますが、みんなでいると気が散るからと、薫は実家で勉強することにします。その途上、兵部と鉢合わせして、ついにパンドラの本拠地に招待されてしまいます。
 そこは豪華客船で、保護した子供達の教育施設もあり、教師もいます。薫の玉座も設置されていました。
 薫の所属するバベルとは、パンドラは敵対していますが、薫はパンドラのメンバー個人を憎んでるとかではありません。むしろ、同じ超能力者として守りたいという思いが徐々に表出することが多くなってきています。敵である薫が本拠地に現れたことで、パンドラのメンバーは驚きます。しかしそれは最初だけ、交戦時は敵同士ですが、基本的に仲は良さそうです。
 とりあえず試験は無事にクリアできたようです。

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 夏が近づいてきました。海開きの日に死亡事故があるかもとか、ゲリラ豪雨により堤防の決壊があるかもとかの、予知出動が続きます。
 そして、とうとうユーリが動きます。雲居悠理はチルドレン達に溶け込むための疑似人格で、ユーリによって作られています。記憶や深層心理はコントロールされており、悠理の時はサイコメトラーでも読み取れません。ユーリの中には、他にファントム、ミラージュという人格が存在しており、ファントムとミラージュは悠理がチルドレンに対する使命を理解しています。それは、レアメタル製のイヤリングを薫につけさせることです。悠理は記憶の操作で「誕生日にプレゼントするために用意した」と思っていますが、本当は黒い幽霊がチルドレンの「ブースト」を解明するために薫に所持させ、その状態で何度かブーストをさせることで、そのイヤリング型レアメタルに記録させることです。
 ここで言うレアメタル希少金属を意味する一般名詞ではなく、超能力と非常に親和性の高い特別な金属を指しているようです。

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 チルドレンがブーストを使うのは、黒い幽霊に洗脳された超能力者を解放するときです。そこで黒い幽霊は、強力に洗脳されたカイという少女を送り込もうとします。彼女はファントム(ミラージュ)の元につれてこられ、悠理が表出しているときは猫になります。
 カイがファントムに会った時、彼女はユーリの中に、ユ悠理、ファントム、ミラージュの他に、もう一人の気配を感じとりました。
 実はそれがキーになる人物、フェザーです。フェザーは多重人格の一人ではなく、ユーリに憑依している別の人格です。

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 誕生日プレゼントとして悠理は薫にイヤリングを渡すことになっていますが、ゲリラ豪雨による堤防決壊に対する予知出動が長引けば、薫の誕生日パーティーが中止になるかもしれません。そこで、ファントムは出動中のバベルに、どこそこの堤防が危ない、と情報提供します。黒い幽霊はバベルの敵対勢力です。信じるに足る根拠はありません。しかし、皆本の判断で、その場所を紫帆に調査させたところ、情報は嘘ではありませんでした。
 チルドレン達が豪雨の中、超能力を駆使して堤防の補強工事をしている時、ファントムに憑依中のフェザーは肉体を乗っ取り、皆本に接近します。そしてフェザーは、皆本にレアメタルのイヤリングを渡します。このレアメタルのイヤリングは何か特殊なものだから、調査して、と。

 堤防の決壊を食い止めたチルドレン達は、予定とおり薫の誕生日パーティーを行うことがてきました。
 予知出動やらなんやらの色んなハードなエピソードの合間には、薫の誕生日にどんなお祝いをするかとか、そういったお話も挿入されています。また、夏休みになったら旅行につれていけとチルドレンが皆本におねだりするシーンなんかもあります。
 誕生日パーティーも、夏休みの旅行も、そこそこページが割かれて、何回かに渡って連載されます。ハードな超能力物語だけでなくて、こういった話が随所に盛り込まれるのが、この作品の特徴なのです。
 ところで、皆本に託されたレアメタルのイヤリングですが、これは不二子管理官によって、インパラヘン王国に持ち込まれ、超能力者のマサラに分析依頼がなされます。

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 米国と書いて「コメリカ」と読ませるように、架空の国のように装ってるけど実はアソコか、そう読者にわかるようになっています。では、インパラヘン王国とは? どうも「インドらへんの王国」、というのとのようです。
 さて、鑑定結果ですが、このイヤリング、今でこそ空っぽであるが、かつてはものすごく強力な能力者が宿っていたことがわかりました。つまりそれは、フェザーのことです。フェザーはイヤリングにいて、そしてそこから抜け出した今は、ユーリに憑依しているとのことのようです。

 旅行から帰り、夏休みを終わって、再び学校が始まります。
 そしてまた、バベルを震撼とさせる出来事がおこります。なんと、薫たちの通う中学校に、パンドラのメンバーが転校してきました。それも、4人もいっぺんに。澪、パティ、カズラ、カガリです。

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 んー、僕はカズラちゃんがかわいくて好きですね。ともあれ、チルドレンの3人もパンドラの女の子達も、ちさとや悠理も、すごく可愛いので、美少女が8人もいるとんでもないクラス、ということになってしまったのです。
 洋上の豪華客船がパンドラの本拠地と知ってる薫は、「どうやって帰るの? 登下校中も超能力は禁止だよ」と伝えます。ショックを受けるパンドラの面々。やはりテレポートをするつもりだったのです。しかし、パンドラ側は最初から手を打っていたようで、葉が高級車で迎えに来て、校門前に乗り付けます。澪達は車に乗るなり、車内で瞬間移動。ポートが開かれているようです。

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 さて、薫のブースト解明のための黒い幽霊の魔の手は、レアメタルイヤリングの失敗(フェザーが持ち出して皆本に預けたので、悠理は紛失したと思っています)を受けて、新たな方法でせまって来ます。手足の生えた昆虫型機能を有したレアメタルが新たにミラージュに渡されます。そして、洗脳エスパーであるナイは、「道具として支給されたもの」と、念まで押されます。昆虫型ですから、勝手に薫にとりつかせればよく、イヤリングのようにプレゼントする必要がないわけです。しかも、ブーストを解禁させるための犠牲者である洗脳エスパーのナイは、洗脳からの解放とともに、ティムやパレットのようにバベルの保護下に入ることは無いと説明を受けます。なんと前頭葉部分にプラスチック爆弾を埋め込まれており、洗脳が解ければ爆発するようになっているとのこと。なんと外道で非人間的なことでしょう。黒い幽霊は、エスパーを本当に道具としか考えてないのです。

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 そしてついに黒い幽霊は、ペーストの秘密を奪う作戦で出ます。液化ガスの貯蔵タンクが爆発するという予知がありました。入念に点検するも、原因がわかりません。
 実行犯は、洗脳エスパーのナイ。事故を防止するためにはナイを洗脳から解放し、かつしかけられた爆弾を回収・処理する必要があります。
 ひとつめの爆弾を処理し、この事故が超能力テロであること、犯人がナイであることを皆本は知ります。ナイの洗脳を解くべく、皆本はブーストを解禁しようとしますが、身体が動きません。皆本の身体はフェザーに乗っ取られていました。フェザーが解禁に制動をかけたのは、プラスチック爆弾を埋め込まれているナイを救うために、タイミング悪しとみてとったからですが、戦況は不利になります。

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 フェザーから身体のコントロールを奪い返した皆本は、チルドレン達を指揮して、爆弾の発見と処理、ブーストの発動と、戦況を巻き返します。しかし、ファントムとナイには、逃げられてしまいました。彼女たちはブーストのデータ収集という目的を果たしたのです。薫にとりついていた昆虫型レアメタルは、薫の元を離れて、黒い幽霊の一味の所に戻ってゆきます。
 ノーマル(超能力者)ではない皆本は大きなダメージを受けますが、すぐに次の仕事がまっていました。出張です。賢木とペアを組んで護衛のために乗った飛行機が事故で、アフリカの自然保護区に墜落します。これは黒い幽霊によって仕組まれたものでした。
 その次は、バベルを裏切ってパンドラに入った九具津の秘密基地(フィギュアや鉄道模型などオタクの聖地と化している)に、あらかじめ忍び込んでいた反エスパー団体「普通の人々」による襲撃など、気が休まる暇はありません。

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