【 時間の歩き方/榎本ナリコ 】
榎本ナリコ先生の、タイムトラベルもののSFです。
この方の描くヒロインの女の子、とても可愛いです。華奢で儚げで。
でもまあ、特殊な場合を除き、ヒロインが可愛くないなんて普通はないので、可愛いから好きというのではなく、好みのタイプだから好きということなんでしょうね。
1話完結ものも、長編も描けるし、どちらも読み応えあるし、もっと脚光を浴びていい作家さんだと思うんですけどね。
ところで、この作品に書店で出逢えたのは奇跡です。掲載誌はネムキというマイナー誌ですし、出版社は朝日新聞社。朝日新聞社がコミックを出してることを知ってる人がどれほどいることでしょうね。
レーベルは、ソノラマコミックスと背表紙にはありますが、奥付には、眠れぬ夜の奇妙な話コミックスとなっています。これは、ネムキという名前になる前の雑誌名です。
この作品が出てるのは知ってましたが、まず入手不可能だろうと思ってました。実は持ってるのは2巻のみです。ネット調べたところ、電子書籍版しかなさそうで、どこかで古書に巡り会えないかなと期待しています。
今回、再びざっと目を通そうとしたところ、また、やってしまってることに気がつきました。買ったけど、読んでなかったようです。内容に全く記憶がありません。
なにしてるんだろうね、自分は。そういえば一時、心が疲れ果てていて、書店で目に付いたマンガをゴッソリ買って、でも家では酒を飲みながらネットゲーム、妻ともほとんど会話しないという時期がありました。
今は回復していますが、酒とネトゲで無意味な時間を浪費することで、心の疲労で崩れつつあったバランスをなんとか保っていたのでしょう。妻が自分のことを放置して好きなようにさせてくれてなかったら、うつ病になっていたろうなと思います。
酒とネトゲという無意味な時間から、リアルで意味のある本来の世界へ引き戻そうとせず、好きなようにさせてくれていた妻には本当に感謝です。
さて、時間の歩き方。例えば、こんな話です。
ある日、井村遇太という少年が、「タイムラグーン」という時間の流れのない世界に漂着します。そこで彼を待ち受けていたのは「ツアイト」と名乗る青年。ツァイトはドイツ語で「時間」のという意味です。
ツァイトによると遇太という少年は、最初から時間(人生)に組み込まれていたか、時間旅行の禁足事項に触れて時津波に流されここに漂着したらしい。
ここに来るのは大変らしいのですが、出ていくのは簡単で、てきとーなドアから外に出ればいいのだとか。
でも、その出た先で昔の自分を助けることになり…。
あれ? よくわかんなくなってきたぞ。ま、いいか。とりあえずそんなお話の連作です。
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