【 夕やけ番長/梶原一騎・荘司としお 】
梶原一騎原作、荘司としお作画による、古い作品です。タイトルから想像できるように、学園ケンカものです。
「木曽中クソ中不良中」と呼ばれている木曽中に主人公の赤城忠治が転校してきます。そこは、番長連合に支配された世界でした。各クラスに1人の番長がおり、総番長ともいうべき関取番長がいて、さらに番長連合を取り仕切る「影の大番長」という正体不明の存在までいたりします。
赤城はこの番長連合とケンカで勝負をしていきます。ケンカをした相手とは後に親友となり、さらに強い相手とケンカすることになる、というありがちなインフレ現象を呈しますが、SFでもファンタジーでも戦争でもなく、基本素手での格闘ですから、いつまでもインフレが続くわけではありません。
番長連合を改心させたり、これまでなかったスポーツ部を作って元番長連合のメンバーをキャプテンとして送り込んだり、自身は様々な運動部の助っ人をしたりと、木曽中はスポーツ名門校に変貌していくのです。
ストーリーの全体像はWikipediaに結末まで掲載されているので、知りたい方はそれを参照していただくとして、この夕やけ番長の入手について。古書店でちびちびと集めていました。全巻綺麗にそろってはおらず、手に入らないまま中抜け状態でその後のストーリーを読んだりなどということもそこそこありました。
で、時々、あれ? と、思ったりしていたのです。なんかストーリーの流れが違うな、と。
実はこの漫画、冒険王に本編が、少年チャンピオンにサイドストーリーが同時に連載されていて、でも単行本は通し番号で発行、おそらく本編と本編の間にサイドストーリーを挟んで編集発行されていて、それで感じた違和感だったのだと思います。
2誌同時連載を知ったのは比較的最近のことで、それまではてっきり少年チャンピオン連載だけだと思っていたのです。確か、少年チャンピオン創刊号の表紙が夕やけ番長だったはずです。
後年発行された復刻版ともいうべき単行本は、一冊500ページを軽く越え、定価も1600円というシロモノ。「これは全部揃えなくては」と思ったものの、ボーッとしてたら買い逃してしまい、2巻と4巻がありません。
古いタイプのものは、コツコツと古書店で買い集めたもので、カバーのないものもあります。
古本と復刻版とで相互補完して大体全部読めてるはずですが、さて、どうでしょう?
ラストは、スポーツ特待生として進学が決まっていたものの、友人の命を救うために自らが怪我をしてしまい、スポーツ人生を棒に降らざるを得なくなって、故郷の赤城山へ帰ることになります。
いや、こんだけ根性あって友人思いのいいヤツなやねんから、ハッピーエンドにしたれや!
とか思わないではありませんが、自分のことよりまず友人という、梶原美学を表現したかったのでしょう。
カバー絵の無い5、6、8、10、11巻は掲載していません。また、オリジナルの1巻には原作者名のクレジットが無いですね。
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