漫画パラダイス

読んだ漫画のレビューなど。基本的には所持作品リストです。

【 呪凶介PSI霊査室/つのだじろう 】

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 連載されれば大抵コミックスになった時代のものではありません。当時はコミックスにはならなかったと記憶しています。だから、書店の棚に文庫が並んだ時には、もう迷わず手に取りました。(と、思ってたんですが、ヒットコミックス版が古書で出てますね。それがオリジナルだと思います)

​ 女子高生がいきなり「何か」を見て学校から飛び出し、車に跳ねられるという事故が起こりました。隣にいた生徒が事情聴取を受けますが、「彼女か何かを見た」というだけで拉致があかず、しかも彼女まで警察署から飛び出し、車に跳ねられてしまいます。
 そこで起用されたのが、PSI霊査室。捜査一課の隣に民間協力機関として小さな部屋が与えられています。

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 さすが、つのだじろう先生ですね。警察への民間協力機関として、霊的現象に対してそんなものを設置して対応させるなんて発想、当時はつのだ先生以外にはありえなかったでしょう。
 所属するのは、呪凶介および美霊香の2名です。

 同級生へのインタビューと、呪の霊視能力から浮かんできたのはキツネ。「まさかきみたち、コックリさん遊びとかやらなかった?」と、凶介は問いますが、同級生たちは否定。担当の王手刑事も一笑にふしますが・・・。

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 ところが、コックリさんをする生徒はいないものの、同類の遊びである「エンゼルさん」が流行していることがわかります。
 名前だけ変わったところで、中身は同じ。頻繁におこなわれるその遊びのために、学校には悪いキツネの霊がついていたことがわかります。
 それも、今日に始まったことではなく、過去の因縁が関係していました。

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 また、こんな事件もありした。酔っぱらい運転の車が事故を起こし、同乗者の中で唯一下戸でかつ死亡した女性が運転席に移動させられ、犯人にでっちあげられたのです。

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 警察も、運転席のシートの調整具合と、運転者の身長から、替え玉を疑ってはいたのですが、酔っぱらい運転の当事者はシラを切り続けます。
 しかし、罪を擦り付けられて浮かばれない霊が黙っているわけがありません。

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 毎日のように霊の影に怯える同乗者によって、真実が告白されました。
 王手刑事は「罪の意識がそうさせたのだ」と言い張り、霊査室の2人は、霊の存在を認めない王手刑事に「またそれかあ」と、あきれるのですが。
 平成のおわりごろ、刑事ドラマで同じトリックが使われているのを観ました。事故を起こした運転手は、助手席に乗っていて死んだ人に罪を押し付けようとして、でも、運転席の調整具合と死亡者の身長が合わなくてバレた、というような話でした。偶然なのか、パクリなのかはわかりませんが、パクリでもこれだけ古い漫画だと誰も指摘しないでしょうね。僕も「どこかで聞いた話だなあ」と思いつつ、この作品を思い出せなかったのですから。

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 このように霊査室が関わった事件が10編ほどおさめられた、作品集です。



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