【 ライブス/田口雅之 】
チャンピオンREDコミックスで全2巻。購入してからしばらく読みもせず置きっぱなしになってたようです。
読むのが購入するペースに追い付かないことが時々ありますね。
おそらく、「バトル・ロワイヤル」の次の作品で、勢いで買ったままになっていたのでしょう。
難しい作品です。
ある日、東京を中心とした関東一円に、巨大な隕石郡らしきものが多数落下し、壊滅状態になります。
ライフラインの一部は辛うじて生きているようで、テレビのニュースなどでは、自衛隊と在日米軍により立ち入り禁止措置がとられていると、報道が流れます。
事態が把握されてるのなら、やがて救助が来るだろうと、安心したのもつかの間、事態はそう簡単ではありませんでした。
アリーナでのコンサートを控えたアイドルグループの控え室は幸い被害を受けなかったようですが、会場の様子を見に行くとメチャクチャに破壊されています。
ただの、巨大隕石郡などでは、ない?
しかも、人間が獣への変身能力を身に付けており、弱肉強食の世界へと変貌していました。
物語は、巨大隕石郡落下の直前の様子がいくつか示され、そして、その生き残りが、獣に変身してしまった弱肉強食世界を生き残るためのグループを作ったところから、本格的な展開へと移行していきます。
剣術のあととりであるシン、アイドルグループの生き残りの葉月ちゃん、そして、自殺を図ろうとビルから飛び降りたところを助けられたマー坊です。
しかし、それ以外に仲間がいなかったわけではありません。行動を共にはするが、敵対者は容赦なく排除すると宣言していたシンの兄弟子は、早々に人間が変身した獣に早やられてしまいますし、葉月ちゃんが兄と慕っていた人物も、実は葉月ちゃんが獣化して食べていたことが後に明らかになります。
人は命あるものを食せねば生きていくことはできませんが、その命が、さっきまで人間同士だった者の殺し合いだったら?
読者は心の置き所、共感のしどころ、感情移入の仕方など、とても難しい立ち位置に置かれます。そのためか、おそらく深淵なテーマと練られたストーリーを持ちながらも、打ちきりになったのではないかと類推します。
ヒントはおそらく、シンが師匠から教わった「活人剣」というキーワードにあります。そして、表紙カバー絵になってるちょっとデビルマンぽいキャラが、ヒーローとして活躍する物語が、予定されていたのではないでしょうか。
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