【 87クロッカーズ/二ノ宮知子 】
液体窒素って、そんなに簡単に手に入るものだったか…と、認識をあらたにしました。と、書いたら、きっとこのマンガを正しく認識してねーだろ、と叱られそうですね。(Twitterか何かに書いたとき「非常に危険なモンなんですよ)」と、ご注意まで受けました。
パソコンのF1ですと?
オーバークロックですと?
そんな世界が現実にあるのですね。
のためカンタービレの作者による、のだめの(多分)次の作品です。
のだめのことについては、また別途、書こうと思いますので、今は書きませんが。のだめと違って、あまりにも知らなさすぎる世界で、物語もどこへ向かってるのかさっぱりわかりませんでした。
よく考えると、バクマン。あれだって本当はよくわからない世界だったんでしょうね。でも、マンガ道とかが良い予習になったのだと思いますし、我々はそれよりなにより「漫画」という完成品を観てますからね。
そういや、大学生の頃、マン研に所属してて、同人誌とかも作ったよなあ。今まで、すっかり忘れてたよ。
それはとかく。
このマンがはいかに速くパソコンを走らせるかを競う物語です。それも単純に、複雑怪奇な計算をさせればいいというのではなく、パソコンに負担のかかるゲームなんかで競わせる、というもの。
もちろん(おそらく、ですけどね)メーカーが想定しているよりも、驚異的なスペックを引き出して、勝負に挑むわけです。
そのためには、パソコンが熱を持つのは厳禁です。なので、パソコン本体にカバーなどはなく、中身は剥き出し。しかも、冷やすために液体窒素まで使ったりします。
この作品は、そういうオーバークロックの世界を扱った、多分初めての漫画でははないでしょうか。
世の中には色んなチャレンジャーがいるものですね。
9巻でラストになります。帯には「世界最速のラブストーリー」とあります。が、ラブストーリーとしては、決して速いとは言い難いでしょうね。まあ、「タッチ」ほどではありませんが(笑)
そういえば、1巻の最初に衝撃的なシーンがあります。
雪の降る寒い夜、アパートの玄関先に、裸足の美女が突っ立ってるんです。どう見ても罰ゲーム。いやいや、罰ゲームにしては酷すぎます。エスエムプレイかあ?
だからって、その前を声もかけずに通りすぎる男もどうかしてると思いますが。
そうですか。世界最速のラブストーリーなんですね。結局、そこに収斂されるんですか。恋愛を取り上げるなとは言いませんが、ラブストーリーが主軸になるのは、避けてほしかったなと思いますし、ラブストーリーの部分を大切にするなら、もう少しやりようがあったような気もします。
ところで、写真を撮ってたら、6巻が抜けてることに気づきました。慌てて注文!
なんか話がうまく続かないなあと、思ってたんですよ。
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