【 ワイルド7(セブン)/望月三起也 】
悪人を退治することを許された7人のアウトロー警察官の物語です。「逮捕でなく、退治だ」と、飛葉の台詞にあります。他に隊長の草波、ワイルドのメンバーに匹敵する活躍をすることもあるユキ(一時期、唯一の女隊員、後に女ワイルドのリーダー)、メンバーいきつけの喫茶店「ボン」のイコや志乃、草波の後ろ盾となる検事の成沢などが主要なレギュラー。ワイルド7といっても、メンバーの死亡で入れ替わっており、総人数は7人を超えます。続編や女ワイルドも含めれば、30人くらいにはなるのではないでしょうか。
ワイルド7は、少年キング連載中に目にしています。「2大ヒットマンガ、ワイルドとサイクルを読もう」というコピーが掲載されていたのを覚えています。サイクルは、「サイクル野郎」のことです。自分にとっての少年キングヒットマンガといえば、この後に銀河鉄道999が続きます。もっと古い時代は知らないのですが、あとは超人ロックと、個人的には大好きだった龍一くんライブ、中垣慶さんの諸作品くらいで、それ以外はあまり記憶がありません。
さて、ワイルド7。
主人公は飛葉。連載開始時は16歳の設定で、少年院を脱獄したさい、草波にスカウトされました。階級は警視長。でも、違う階級を名乗る時もあり、設定を作者も編集者もうっかりしていた、ということなのでしょう。
他に、ヤクザの親分や、サーカスの軽業師、八百長でクビになった野球選手、火薬のスペシャリストなどバラエティーに富みますが、共通点は前科者ということです。毒をもって毒を制すというところでしょうか。追加メンバーで唯一前科のない元刑事が加わりましたが、ドジばかり踏んであっという間に殺されましたね。
飛葉以外のメンバーは最終話で全員死亡しており、続編もたくさん出ているのですが、全て新メンバーになっています。
実は連載中はあまり熱心な読者ではありませんでした。一話が長く、ストーリーもよくわからなかったのです。今から思えばイラスト集を観ていたような感覚でした。
単行本を集めだしたのも、ぶんか社からの文庫「新ワイルド7」からでした。先に「新」が文庫化されたのです。「続・新」も出て、その後にオリジナルも文庫化されたように思います。「飛葉」や「ロゼサンク」などもぶんか社から文庫化されています。
ところで私は、連載中は不熱心な読者だったのですが、いくつかのシーンは覚えています。
「モノには順序というものがある。鼻をかんだ紙を干してケツは拭けるが、ケツを拭いた紙で鼻はかめない」とか、「スパゲティというのは、床に落としたら、2・3度跳ねて、それからテーブルまで戻ってくるくらいの弾力があって、ちょうど良い茹で加減だ」などの飛葉の台詞です。細かい部分は間違ってるかもしれません。何しろ古い話ですから。
あと、飛葉が、踏切を通過中の貨物列車の連結器の上部を通して、列車の向こう側の敵をピストルで撃つシーン(これはフルカラーページでした)とか、いくつか覚えているシーンが文庫で見つけられないでいたりします。
読み飛ばしてしまったのかもしれませんね。また読み返してみるとしましょう。
他に、ヤクザの親分や、サーカスの軽業師、八百長でクビになった野球選手、火薬のスペシャリストなどバラエティーに富みますが、共通点は前科者ということです。毒をもって毒を制すというところでしょうか。追加メンバーで唯一前科のない元刑事が加わりましたが、ドジばかり踏んであっという間に殺されましたね。
飛葉以外のメンバーは最終話で全員死亡しており、続編もたくさん出ているのですが、全て新メンバーになっています。
新ワイルド7や、その後のシリーズが次々発刊されるのに、オリジナルのワイルド(今風に言えば、第1シリーズ)は、出されないのですか?
と、ぶんか社さんにお訪ねしたことがあります。
当時僕はぶんか社のとある雑誌に連載を持っていて、僕の担当者の方の、隣だか向かいだかの編集者がワイルド7担当とのことでした。版権の問題があって、第一シリーズの復刻は難しそうなニュアンスの返信がありました。
でも、そこからそれほど時間が経過せず、第一シリーズの刊行が始まります。いずれそうするつもりで、働きかけておられたのか、僕の一言がきっかけになったのかは、存じ上げませんけどね。
あと、ワイルド7R(リターンズ)がありますが、2巻はまだ未入手です。と、思ったら、手元にありました。買ったまま読めずに積み上がってるだけならまだしも、買ったことを忘れるとは、なんて、けしからんことなんでしょう。
本音をあかぜは、仕事があまりにしんどくて、漫画を大人買いるすのが唯一のストレス発散方法だったのですよ。でも、仕事がきつくて、欲しかった本を買う、せめて欲しかった本くらい買わなくては(我慢してどうするんだ?)と、買い漁った結果です。
ひとつひとつのストーリーを追っていると切りがないので、各話タイトルをずらりと掲載しておきます。
ワイルドの別シシリーズは、また少しずつアップしていきます。
R(リターンズ)については、先に、掲載しています。
⚫ 野生の7人
⚫ バイク騎士(ナイト)事件
⚫ 誘拐の掟
⚫ コンクリート・ゲリラ
⚫ 千金のロード
⚫ 爆破105
⚫ 黄金の新幹線
⚫ 緑の墓
⚫ 首にロープ
⚫ 地獄の神話
⚫ 運命の七星
⚫ 熱砂の帝王
⚫ 朝食に死を
⚫ 灰になるまで
⚫ ガラスの城
⚫ 魔像の十字路
どれもこれも魅惑のタイトルだと思いませんか?
ヒットコミックスの広告には必ずワイルド7の各話タイトルが掲載され、「どーだ? ほーら、読んでみたいだろう?」と、読者を誘い込んでいました。
しかもお尻が美しい。
よほどストイックに美尻エクササイズにでも通わなければ、普通はこうはなりますまい。それとも、美尻エクササイズなどではない、日頃の厳しい訓練の成果だ、といいたいのでしょうか?
いやいや、望月先生の読者サービスであり、また本人も描きたかった描いた、というだけでしょうね。
そして、もうひとつ、この文庫には仕掛けがあります。
コミックスを並べると、背表紙の絵が連続していることがわかります。
6巻と7巻で、絵が別れてるのは、6巻までは「第1期」として発売されたもので、売れなければここで復刻版の発行を中断しようということも考えてたのかもしれませんね。
先に出た「続ワイルド7」の少し前に、他社からコンビニ廉価版でワイルドが復刻発行されましたが、完結に至らず頓挫しましたからねえ。
少年キング連載作品で、ここまで長期にわたり復刻され、また他社から続編がどんどん出てくる。人気のほどを思い知らされます。
(201-799)