【 鉄子の育て方/かわすみひろし 】
鉄道好きの女子を扱う作品が次々登場していましたが、これもその範疇のひとつです。
女子アナ志望のあずさは、大手放送局を軒並みおっこち、最後の砦、「鉄道テレビ」(24時間鉄道専門チャンネル)でようやく採用。鉄子の道に足を踏み入れます。
鉄道漫画も、「たびてつ友の会」や「鉄子の旅」やらで、脚光を浴びるようになりましたが、マニアックになりすぎず、適度なウンチクもあり、ストーリーの軸としても「鉄道」ではなく「政治」においた「てつボン」が一番一般的なのかなと思います(鉄道ネタで政治問題を解決します)。
一方この作品は、鉄道ネタでありながら、日常を放送業界においてしまったことが、長続きしなかった要因ではないかと思います。ストーリーを進めるのに、放送にも鉄道にも絡めないといけないのでどっちつかずになってしまってるように思えます。駅弁大会の話題もあるとか、鉄道に興味がない人の耳目を引く要素はあるものの…。
さて、あずさにとっては最後の砦である「鉄道テレビ」ですが、ある事件が発端となって、このテレビ局そのものの存続が危なくなります。傾きかけた鉄道テレビを復興すべく、あずさはじめスタッフ一同、奮闘します。みんなの一生懸命な姿が描かれます。
理解者も現れて、どうにかこうにか先が見えた所で、物語は最終回を迎えます。
鉄道もの漫画も、ブーム的な感じであれこれ出てましたが、淘汰された感がありますね。
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