【 アンネ・フリークス/小手川ゆあ 】
北川ゆり(男)は、河原に母親の死体を埋めていました。そこへ、藤堂あんなという超美少女があらわれます。マズい場面を見られたと、ゆりは持っていたシャベルで襲いかかりますが、回し蹴りで脳天を一撃され、あっけなくぶったおされてしまいます。
そして、自宅。あんねは、「歯を抜いて、指紋削って、顔を壊しといた。あとは、これを砕いて生ゴミに混ぜて捨てるだけ」と、気絶から目覚めたゆりに、ポンとビニール袋に入ったそれを食卓にのせます。
そんな始まり方の、アンネ・フリークス。全編、殺戮の連続です。
あんねの目的は、父親が始めた元カルト宗教で、現在はテロ組織となっている革青社を壊滅し父親を殺すこと。現在は仲間を募っている最中です。
このあと、前園みつばという少年も仲間に加わります。
革青社は、内部抗争により幹部が大量に殺されており、その内部抗争当時の幹部の子どもたちが、この3人だったのです。ゆりとみつばの親は抗争において殺されているらしいのですが、こういった過去を知らぬまま育っており、知っていたあんねに仲間として引き入れられたわけです。
ヤクザや公安警察も巻き込んで、殺伐としたストーリーが展開していきます。牧師さんも中心人物として登場します。この牧師がまた曲者。自分の教会もあるのですが、実は元革青社の一員で、状況によっては殺しも厭いません。あんね達の味方か敵かも途中からよくわからなくなってきます。
さて、あんね達は、革青社を叩き潰すために、一般企業に模した革青社本部に、トラックで突っ込みます。それに先行して、ゆりとみつばは、公安に協力するというテイでスパイとして潜り込んでいました。
革青社を叩くために公安はゆりとみつばを犠牲にするつもりでした。当然のことながら、2人は命の危険にさらされます。そんな彼らを救おうとする少年課の女警官もいるのですが。
なかなかに悲惨なラストを迎えます。
中心的な登場人物も含め多くの死人が出ます。そして、不敵にもあんねとゆりは…。
全4巻。なぜか4巻だけ紛失してるようです。
(5-13)