漫画パラダイス

読んだ漫画のレビューなど。基本的には所持作品リストです。

【 Queen Bee/小山田いく 】

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 小山田いく先生の、週刊少年チャンピオンにおける、最後から3番目の作品で、最後から2番目の作品である「吉祥師京太郎の推理(樋口雅一原作)が併録されています。

 転地養蜂を行う一家の生活を、春、夏、秋、冬の4章にて構成してあります。
 春は、レンゲ畑(田んぼが稲刈りと田植えの間に肥料にすることを目的に植える)から蜜をとるために、養蜂箱を置かせてもらうのですが、そこへ中学生になった娘、姫蜜が家出をしてやってきます。
 野火から火事が発生し、養蜂どころではなくなるところへ、姫蜜が到着、地元のニホンミツバチも養蜂しようと分蜂した群れを連れ帰ります。

 夏は別荘地の近くでの養蜂、会社が倒産して一家心中にやってきたとある家族との騒動が描かれます。

 秋はオオスズメバチによる被害と戦いが、そして冬は冬眠を前にした熊の襲来に悩まされ…。

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 そんなエピソードの端々で、なぜか蜂の気持ちがわかり(養蜂家の親からの教育に加え、本能的に蜂の習性を理解しているのでしょう。)ある程度は、蜂を操れる姫蜜が活躍します。

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 併録作品の「吉祥師」は、原作付とはいえ、なかなか面白く、小山田作品の掲載頻度が減ったチャンピオンに「これなら、長期連載としてやれるのではないか?」と、期待を膨らませたのですが、それっきりになったようです。
 京太郎の邪気のないあの笑顔を描けるのは、小山田先生以外にありえない、と思ったのですが。

 チャンピオン最後の作品となった(はず)「命のダイアリー」は、単行本化されてるにも関わらず、発行部数が極端にすくなかったようで、ついに入手できませんでした。


 その後、小山田先生の活躍の舞台はサスぺリアに移行しいていくのですが、ほんの一時期、中垣慶先生(従姉妹がアシスタントやってました)と同時掲載してて、それは購入してましたね。

 小山田先生は既に故人となられ、新作は望めませんが、心ある人達によって、順次復刻しているようです。


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