【 覚悟のススメ/山口貴由 】
これはまあ、そこそこ知られた作品ではなかったかなと思います。連載当時は、チャンピオンの看板作品のひとつであったと認識してます。
とはいえ、ワケわかんない作品ではありましたね。
数多の英霊を宿した不気味な強化外骨格なる全身を覆う鎧をまとった葉隠覚悟が、人類滅亡を目的とする敵が送り込む「戦術鬼」というグロテスクな改造人間と闘います。舞台は東京。毒素にまみれて壊滅しており、生徒達は消毒のために定期的に「防疫プール」に入ります。そうしないと生命維持が困難なほど、汚染が進んでいるのです。
敵の総大将は、覚悟の兄。なぜか女性化しています。兄弟の因縁の対決です。
そう、過去の因縁が大きくからんでいます。
愛と正義を語る哲学的なヒーローSF、とでも申しましょうか。
連載中は「気色悪い作品」でしたが、後年、チャンピオンレッドコミックスのレーベルから出まして、それを集めました。全5巻。でも、4巻が買いそびれたままありません。
当時、連載と平行してコミックスが買えなかったのは、チャンピオン、モーニング、スピリッツ、ヤングジャンプ、アワーズライトなどを定期講読していたからです。時期は違いますが、少年キングやサンデー、少女誌では、少女コミック(フラワーズ)とかmimiとかアワーズガールなんてのを買ってた時期もあります。
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