漫画パラダイス

読んだ漫画のレビューなど。基本的には所持作品リストです。

【 ゆるキャン ②/あfろ 】

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 野外活動サークルのメンバーにリンちゃんを加えた一同、伊豆キャンプは目前に迫ってきていて、彼女たちは準備に余念がありません。あくまでキャンプ、すなわち野営が目的ですが、グループ旅行というか、観光とかグルメの要素もアリアリで、そのための資金調達バイトにも一生懸命です。高校生が、やりたいことをやるために、バイトに精を出しつつ、着々と準備を進めるというのは、とても好感が持てます。いきなりキャンプ場に到着して、キャンプ本番を始めちゃう、などというお話になっていないストーリー構成も、いい感じです。
 あおいの妹のあかりが同行することも、顧問の酒好き鳥羽先生に了解をもらい、先生も7人乗りの車を調達します。でも、りんはいつものソロキャンと同じく、原付スクーターで現地まで走りたいと申し出て、これも顧問からOKをもらいます。そして、キャンプの日まで、まさしくカウントダウンが始まりました。 
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 りんの家では、壮行会(みたいな夕食)が開かれます。祖父も父も母もバイク乗りで、主に祖父の手によりスクーターの整備なども行われ、野クルメンバーより一足早く、真夜中に出発します。祖父が途中まで同行。なかなか渋い熟年ライダーです。バイクに乗ったことのある男性なら、そのカッコ良さというのも理解できるでしょう。
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 一方、野クルメンバー+あかりの一行は、先生が運転するワンボックスで、伊豆へと向けて出発します。テーマは「伊豆のジオパークめぐり」と「伊豆の食材をキャンプめしで味わう」だと宣言して、意気揚々。でも、車に乗ったとたんに居眠りを始めるメンバー。一人旅を続けるリンは、大瀬崎やビャクシン樹林などを観光します。車メンバーもワサビアイスを食べたり、ループ橋を通過したりして、その後、河津桜見物の渋滞にひっかかったりします。やっと目が覚めたなでしこは、「2日間眠りっぱなしで、もうキャンプを終えて帰るところ」だというタチの悪い冗談にひっかかったりします。
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 車班とバイクのリンも合流して、金目鯛の干物と伊勢海老の干物をゲットして、目指すキャンプ地に到着しましたが、「ここはキャンプ禁止になりました」との情報を現地で初めて知り、茫然となります。夏場は禁止されていたものの冬場はOKとのことだったのですが、地主さんの意向で冬場もダメになったとか。キャンプが流行するにつけ、マナーの悪い人が大挙し、無料のキャンプ場がどんどん閉鎖になっているというニュースを聞いたことがありますが、この漫画にもそういう社会現象の一端を語らせているのでしょう。
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 地元の知り合いの方にキャンプ場を紹介してもらい、宿泊場所も確保。日帰りできる温泉を検索して立ち寄った所、先生がビールを飲んでしまって、キャンプ場まで運転代行を頼む羽目になり大散財、というオチで8巻は終了です。単行本1冊かけて、まだテントも張っていない? いや、旅というのはそういうものですよ。
 僕がこの作品を好きなのは、こういった旅の要素が描かれていて、キャンプだけではない作品になっているからでしょうね。

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