【 漫画家接待ごはん/瀬口たかひろ 】
え? 3巻で完結ですか? エッチな漫画を描きたくなられた、ということでしょうか。グルメ漫画の新境地だったのになー。残念。
グルメ漫画の代表格といえば「美味しんぼ」ですが、吟味された材料とか洗練された調理法とか連綿と続く伝統とか、解説と蘊蓄によって、食卓に並んだ時点でそれが美味しいのはもう伝わってきます。
でも、この「漫画家接待ごはん」は、いきなり完成品が配膳されますから、バラエティー番組でいう「食レポ」なんですよね。
だけど、僕がこの作品を「グルメ漫画の新境地」と感じたのは、そこではありません。
例えば「クッキングパパ」は例えばAKB的で、「会いにいけるアイドル」ならぬ、「自分でも作れる料理」なわけですが、「漫画家接待ごはん」は、「南極越冬隊ブログ」なんです。
え? 意味わかんないって?
南極越冬隊員は、たいてい誰かがブログを発信してたりするのですが、仕事の話はあんまり書かれませんし、 仕事の話をされても専門的なことは素人にはわかりません。それに、国家事業ですから、観測や研究成果は誰でも利用できるはずなんです。
観測や研究成果としては、ブログなんてどうでもいいんです。でも、隊員の日常が垣間見れて、とても面白く、興味深い内容です。
漫画も同様で、「作品」が表にでるべきものであって、「漫画家接待ごはん」がどうあろうとも、読者には関係ありません。やはり本来、どうでもいい話です。
でも、関係ない(普段、表に出てこない)からこそ、「漫画家接待ごはん」を通じて垣間見れる漫画家さんの一面というのは、読んでて楽しいんですよねー。
某作品のように100巻越えは望まないけど、連載と連載の合間などに、50ページ位の特別編とか時々やって欲しいです。
ちなみに、「少女漫画も描く極道漫画家T先生」って、立原あゆみ先生ですかね?
最初、女性作家かと思ってましたが、麦ちゃんで、やよいとのエッチシーンのアングル、彼女が仰向けになっててパンツが半脱げで片足にひっかかってるシーンをみて、「男性作家に違いない」と確信を持ったものです。
(33-106)