【 佐藤くんと田中さん/高河ゆん 】
転校生の佐藤くんは、なぜか同じクラスの田中さんに吸血鬼だと見破られてしまいます。田中家には代々「吸血鬼には気をつけろ」という家訓があるのだそうです。
さて、佐藤くんが転校してきたのは、70年前に恋をして振られ、余命少なくなった田中さんの祖母に改めて告白し、吸血鬼としての永遠の命を与えて連れ出すことにあったようです。また、田中さんも祖母を救いたくて、佐藤くんに「吸血鬼と見込んでお願いがある」と、近づいたわけですが、おばあちゃんは、周囲の親しい人がどんどん亡くなっており、自分もそこへ近いうちにいくのだと達観していて、佐藤くんはまたしても振られてしまいます。
吸血鬼設定を利用して恋愛や生き様をチラリと描いた小品だと思います。
が、連載になっちまったよ!
というわけで、そこから物語が発展して、どんどん設定がふくらんできます。
最初は笑える方向ですね。
吸血鬼は変温動物で、冬はホカロン、夏は冷えピタが必須。草食系は輸血用血液でOKでレントランがある、肉食系は直接人間から血を吸う必要があるなどの設定とか、昔、つき合ってきた女性の娘が、アナタの子ですと訪ねてくる、などの事件などなど。
やがて、吸血鬼にはナワバリがあり、それを奪おうと他から吸血鬼がやってくるなど、対立の構図なんかも出てきたりします。
2巻まで所持。その後、出ているのかどうか???
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