漫画パラダイス

読んだ漫画のレビューなど。基本的には所持作品リストです。

【 ミッションⅡ/中垣慶 】

f:id:mineshizuku:20190627222156j:plain

 作品タイトルは、わかりやすく書くと「ミッション2」ですが、もともとそういうタイトルで、「ミッション」とか、「ミッション1」という作品は存在しません。


 物語の舞台は、「神戸フィルムアカデミー」という俳優養成所。将来的には「神戸フィルムカンパニー」として、世界に通じる娯楽アクション映画を製作するために、自らアクションスターを育てようという目論みで運営されています。


 作家は神戸在住、舞台も神戸となれば、少しは宝塚歌劇も意識してるでしょうし、アカデミーを卒業すればカンパニーの作品にプロとして出演することもできるので、そのあたりは「ジャパンアクションクラブ」をモチーフにしてる部分もあるでしょう。

f:id:mineshizuku:20190627222157j:plain

 主人公は、成坂龍太、14歳。中学3年。未来のアクションスターを目指しています。
 途中まで読者にも伏せられていますが、校長は成坂の祖父。日本人としても小柄で、それが逆に武器となり、アメリカでスタントマンとして活躍していました。
 自らがアクターとなれば、大柄でいかにも屈強な男たちとの殺陣で、小男が活躍すれば当然目立ちます。すなわち、スターです。また、子役のスタントマンとしても需要があります。
 業界では一目置かれる存在だったようで、その祖父が自らスターを要請し、映画まで創ろうというのですから、気合いが入ってます。
 母親も(どういう活躍をしていたのかよくわからないのですが)身体能力が高く、龍太が幼いころから武道や殺陣を仕込んでいます。


 アカデミーといっても、中学生だって入れるわけですから、義務教育とは別のもの。いわば、私塾です。土日や放課後に通います。そして、平日の昼間は中学校に龍太は通っています。そういう意味では学園ドラマです。


 アカデミーでは通常の授業の他に、龍太のような実力のあるものはプロに混じって撮影やら舞台やらの機会もあるようです。また、中学校では文化祭で上映する8ミリ映画なんかにも出演します。


 身体能力の高い龍太ですが、苦手なものもあります。それは、ダンス。武道や殺陣は母親から仕込まれていますが、ダンスは教わっていません。変拍子を含む音楽のリズムに合わせての舞台上での殺陣にはかなり苦しむシーンなんかもあります。


 僕も仕事の関係で、そういったステージものに携わることがありますし、自らも楽器を演奏する機会も、中年になってから恵まれたので、多少は作品のいわんとする所は理解できるのですが、少年誌連載で読者がよくこれについてこれたなあと感心しています。
 でもまあ、変拍子という言葉そのものは、「ガラスの仮面」や、槙村さとる先生の「ダンスジェネレーション」だったかなんだったかそんなタイトルの作品にも出てきていましたから、なんとなく「難しいんだろうな」位には思ってましたし、通じてたんでしょうね。


 僕の楽器パートはパーカッションと名乗ってますけど、マリンバなんかの鍵盤打楽器ができるわけでなし、純粋なリズム隊&オカズ隊なんですけど、変拍子ってほんと、むちゃくちゃ難しいって、やってみて初めてわかりましたよ。


 さて、この「ミッション2」ですが、350ページほどの太いこミックスで全3巻(大都社版)のようです。そして、手元にあるのは2巻のみ。作品の始まりも、クライマックスも知りません。


 最初から最後まで読んでみたくなって、ネット検索してみたら、少年画報社版全5巻が出品されてましたので、さっそく注文してみました。


 ネットの無い時代だったら絶対入手不可能でしょうね。
 行動半径内に在庫のある書店があるかどうかすらわからないんですから。
 12/31までには届くようなので、お正月娯楽として楽しみにしておきます。

 ※ もとはH30/12/27にラインブログに掲載した記事です。現在では、全5巻、所持しています。

f:id:mineshizuku:20190627222200j:plain