漫画パラダイス

読んだ漫画のレビューなど。基本的には所持作品リストです。

【 エビアンワンダー/おがきちか 】

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 エビアンワンダー。それは、悪魔と契約し、地獄にエネルギーを供給する「銀符」と呼ばれる姉弟の物語。どうやって供給するかというと、悪い奴を殺してエレルギーをうばいとるわけです。

 そもそもこの姉妹の弟が悪魔との契約によって姉に与えられたものなので、その代償は大きいのです。
 銀符に狩られた魂は地獄のエネルギーになるのですが、悪い魂であればあるほどよく、善良な魂は地獄のエネルギーにはなりません。
 なので、魂を狩るという恐ろしい所業ながら、いわば悪人退治という、良いこと(?)をしてる、ということになる、のかな?

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 道半ばで掲載誌「アワーズライト」が休刊し、当時はまだ単行本化されておらず、書き下ろしを加えて全2巻で刊行。その後、多分ゼロサム誌に移籍、エビアンワンダーリアクトとして続編2巻、計4巻の作品です。

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 銀符で悪の心を刈る能力か与えられているからといっても、決して無敵ではありません。呪文を唱えることができなければ、ピンチにも陥ります。 僧侶フェイ・イは、フレデリカのピンチを助けつつ、また神の道を説き、彼女を改心させるために、同行したりもするのですが、ようするに銀符などというものをやめさせたかったわけです。

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フレデリカが欲したのは、自分を見捨てずにずっとついてきてくれる弟。これは契約によってあたえられました。 しかし、そこに矛盾かあるものの、彼女は自分自身の命は欲していなかったのです。むしろ、死んでしまいたいとすら思っていました。
 でも、悪魔はこの2者にいのちを与え、その契約としてフレデリカに銀符の仕事を義務付けました。
 これを不公平な契約とし、僧侶フェイ・イは契約の無効・破棄を主張します。

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 逆転裁判のような「意義あり」はありませんが、フレデリカに関わった何人かの善良な人々が証言に立ちます。

 そこで有効なのは法ではなく、どうやら人の心のようです。

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 そして、神は裁定を下します。

「契約は無効!」
すなわち、契約に含まれていた「与えられた弟」はその場で消滅します。
 消滅はするのですが・・・。
 
 実は死ぬ運命にあったハウリイは、たまたま通りあわせた旅人が、自分の流派の寺に連れ帰り、そこで僧侶として育てていたのです。
 
 と、ここまで書けば、わかりますよね? その僧侶、現在は、フェイ・イと名のっています。
 
 掲載誌だった「アワーズライト」(系列で言えば、ヤングギングアワーズライトで、既に存在しない少年キングからの青年誌(ヤングナントカという青年誌がいくつか創刊されましたよね)で、現在もその流れを汲んでいるのは「超人ロック」だけのはずです。「超人ロック」は、休載期間を除き、同人時代を含めれば、「ゴルゴ13」を越える最長寿漫画なのですが、それはともかく、「ヤングギング」から派生した「ヤングギングアワーズ」、そして、さらに派生した「アワーズライト」という誌面での連載だったのです。
 
 そもそもキングが「銀河鉄道999」の終了で、看板作品が不在(湘南爆走族超人ロック、龍一くんライブなど読み応えのある作品はあったにしろ)となり、休刊。
 そこからの派生の派生の派生なんて漫画雑誌がヒットするにはよほどのものがないと無理で、「アワーズライト」も短命。癖の強い作品が多く、好きだったんですねどね。
 
 ところが、癖の強い作品群が幸いしたのか、連載中だった作品のいくつかは、「IKKI(休刊)」や「サンデーGX」や「クリムゾン」への移籍が行われました。「エビアンワンダー」もこうして幸いにも完結を迎えた作品ですね。
 
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