【 銀彩の川/萱島のぞみ・倉田嘘 】
架空の鉄道会社を舞台にした鉄道マンの成長物語です。
架空の世界が舞台なんて、フィクションにはゴマンとあるわけですが、鉄道好きとしては、現実にあるものを愛好しているせいでしょう。どうしてものめり込めませんでした。
そんなの飛行機だって現実にあるわけですが、例えばパイロットの成長物語なら、こうは感じなかったでしょうね。
鉄道の場合、現実にあるうえ、身近である、という要素も加わるのでしょう。運転士さんや車掌さん、駅員さんの姿を普段から目にしてますから。
でも、例えば「山と食欲と私」など、実在の山を舞台にしているお話と、「とある山」と記された架空の地の山歩きのお話も混在していますし、それで何の違和感もないのですから、僕の勝手な言い分であることは承知しています。
どんな言い訳をしても、作者さんにしたら、この感想にガッカリ以外ないんでしょうけど、1巻だけでごめんなさい、になってしまいました。
「レールウォーズ」くらい、キテレツな話なら、また別なんでしょうけど。でも、あれは架空の鉄道ではなくて、パラレルワールドですからねえ。国鉄が分割民営化されず、それでもって、「もしこんな車両があったら」とか、「もしこんな運営がされてたら」とか、そういうのを織り込んでて、鉄マニアの心をくすぐるんですよ。
まあ、でたらめな鉄道を描く位なら、いっそフィクション(架空の鉄道会社)がよろしい、というような考え方もアリだと思いますし、鉄道を舞台に自由にやりたいからバラレルワールドでやるというのもアリだと思います。
「てつボン」なんかは、だから大変だと思うんですよね。作中のその時点での現実を絶対外したらダメですもんね。物語が成立しなくなりますからね。
とはいえ、「チャレンジくん」という弘済出版社発行のおそらく唯一のコミックには、ありえない列車が出てたりしますもんね。
チャレンジ20000キロキャンペーン推進のためのマンガですから、原則的にはとことんリアルであるべきだと思うのですが、確か神戸駅で、下関行の客車列車による普通列車が描かれてます。しかも牽引する電気機関車がEF58-61だったと思います。一般の列車への運用もあるのですが、お召し列車用電気機関車です(コミックスは所持してますが、どこに仕舞い込んでるかわからないので、記憶だけで書いておりまして、不確かではあります。ダイソーの100円コミックス版(1・2巻のみ発行)も持ってるはず)。わかっててやってる読者サービスと思いますが。
どんどん話がそれていってすいません。
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